あまロータリークラブ

インタビューの受け答えをしている黒野晃太郎の写真

ロータリークラブってどんなとこ?実際、誰が、どんなことをやっているのだろうか?ちょっとベールに包まれた感じのあるロータリークラブの活動について皆さんに少しでも知ってもらいたく、現役のロータリークラブメンバーを直撃取材しました。第1弾は、「ロータリークラブの基本の”き”について」と題してメンバーは実際のところ何をやっているのか?についてお話を伺いました。

名鉄グランドホテルで毎週月曜日に行われる例会場の写真

今回インタビューに応えていただいたのは、名川繊商株式会社相談役の黒野晃太郎氏。あまロータリークラブに所属して早30年という黒野氏。ボーラーハットをかぶって現れたその出で立ちはまさに紳士そのものだった。

—— ずばり、ロータリークラブはどのような活動をしているのでしょうか?

まず、ロータリークラブの根底にあるものは奉仕活動なんです。どんな活動にも言えることですが、その活動を円滑に進めていくためには、メンバー同士の意思疎通ができてなくてはいけませよね。だからロータリークラブでも同じように、メンバーの親睦を深めるために様々な催し物があります。そのひとつが例会であり、家族会であり、趣味の会ということになるんですね。奉仕活動には様々なものがありますが、例えば地域の掃除、ボーイスカウト・ガールスカウトといった子供達への支援、留学生の支援、ポリオ撲滅のための支援、海外の貧しい子供達のために校舎を作ったりと、幅広い支援を行っています。

ひとつのプロジェクトをメンバー一人一人が協力して進めていく様子を表した「みんなで手を合わせている」イラスト

—— 海外の子供達に対しても奉仕活動が行われるんですね。

つい先週もメンバーがベトナムの山奥に行って、幼稚園の校舎を作るプロジェクトに行ってきました。そもそもロータリークラブは世界中にネットワークがあって、その会員数だけでも120万人以上にのぼるんですね。愛知県だけでも5000名弱の会員がいて、クラブ数は85あるんです。僕らはその中のひとつで、あま市や中村区を中心にメンバーが構成されていて、基本的には地元を中心に奉仕活動を行なっています。

ロータリーの創始者であるポールハリスのイラストがプリントされた記念切手。ポールハリスの顔を知ることができる

—— 世界中にネットワークがあるとお話がありましたが、発祥はどこになるのですか?

元々は、シカゴでポールハリスが、友人欲しさに発足した会。その仲間たちと家族ぐるみの付き合いをする中で、会自体の規模がどんどん大きくなっていった。それがさらに世界に広がって今に至っている。

—— ロータリークラブの特徴はどのようなところにあるのでしょうか?

やっぱり家族も巻き込んで、奉仕活動を円滑に進めていこうという精神があることかな。元々はアメリカから始まった文化でもあるから、アメリカは、外食も旅行もパーティーも家族やパートナーと一緒が基本。日本だと男性陣だけで錦(名古屋の繁華街)で飲んだり、歌っだりってことになりがちですけど(笑)。

—— 黒野さんもご家族で参加されているのですか?

ロータリークラブには、「家族会」という親睦会があるんだけど、私なんかは、孫も連れて家族会に出席しますよ。ロータリークラブの活動も家族やパートナーの理解あってこそだから。それに、家族間の親睦を深めることも意義があることとされている。相互理解があるからロータリークラブの様々な活動も円滑に進むはずだから。

—— 家族会というのはどのようなものですか?

家族会というのは毎年クリスマスに行われるんだけど、子供たちも楽しめるような催し物があったり、プレゼント抽選会があったりと盛りだくさんです。

年末に行われる家族会(クリスマス会)のイメージイラスト

—— 家族会にはどのくらいの人数が集まるのですか?

そうですね、だいたい200人くらいかな。多い人は一族でやってきて15、6人連れてきますからね(笑)。それと、あまロータリークラブはクリスマス以外にも春と秋に家族会があって、花火を見に行ったり、旅行に行ったりと様々な企画をしています。やっぱり家族同士が仲良くなると、メンバーの結束がさらに高まりますから、それが何をやるにしてもプロジェクトを円滑に進めるためのコツなんですね。親睦を深めるという意味では、他にも趣味の会というのがあります。

—— 趣味の会?

そう。ゴルフとか、合唱とか、釣りとか、マジックとか、美味しいものを食べる会などがあって有志で集まっている。自分の趣味に合う会に入ればいい。入らなくてもいい。ただ入れば、メンバーとより仲良くなりますよね。来週もワインフォーラムというのがあって、ボジョレーヌーボーを樽で飲もうって会があります。

—— 盛りだくさんでなんだか忙しいそうですね。

いやいや、全部に出席していたら目が回っちゃるので(笑)、自分のスケジュールに合わせて、自分が行きたいと思ったもの、行けるタイミングなら参加すればいい。気負う必要はないんです。

—— なるほど。

ロータリークラブには、様々な職業の方がいるので、未知の領域について話を聞くことができる。勉強や経験ができる。自然と自分の視野も広がる。そうした中で、自分が活かされているこの社会に対して、どう還元していくかという考えに行き着く。その一つの単位がロータリークラブという事なんですね。

ロータリークラブの基本である「I serve」と書かれた看板

—— そのほかにもロータリークラブの特徴はありますか?

ロータリーの基本は、アイサーブ(I serve)。私がやりたいからやるのであって、言われたからやるんじゃない、という考えですね。主体はあくまで自分にあるので、誰かがやりたいと言っても、自分がやりたくなければやらなければいい。トップダウン方式じゃないということなんですね。例えば、蟹江川の掃除をしたい、と誰かが言ったとしましょう。それに行くか行かないかを決めるのは自分自身ということなんです。そういう意味で自由なんです。それがロータリークラブの魅力でもあり特徴なんですね。

—— 確かにそういう意味では他の組織とは異なりますね。

ただ、あれもこれも参加しなくていい、というわけではなくて、例えば、毎月行われている「例会」にはある程度参加する義務があるわけです。

—— 例会にはどのようなルールがあるのですか?

例会への出席は正会員の最も基本的なことになります。例会は会員が親交を深め、奉仕を語り合う「場」なんですね。例会は1時間ですが、出席に関する基本的なルールがあって、それは守らなければならない。ただそもそも、例会の意義は会員同士の親睦を図ることですから、例会に出席しなければ何も始まりませんよね。例会に来れば誰とでも話ができるわけで、そうすることで交流を深め勉強をしよう、というわけです。ただ、先ほど申し上げた通り、主体は自分なので、結局は自分次第ということになるのですが。忙しいビジネスマンのためにも、メークアップという制度もあって、会員をフォローする仕組みもあります。全ての例会に出席するのは大変ですからね。

—— 例会は具体的にどのようなことをやっているのですか?

例会は、様々な報告、連絡があったり、みんなで昼を食べながら日常生活について、あるいは進行中のプロジェクトについて語り合ったりする。あとは卓話の時間というのがあって有識者を読んで話を聞いたり、メンバーのなんらかの発表やプロジェクトについての説明があったりします。今年度だと、働き方改革についてだったり、ラグビー元日本代表によるW杯ラグビーの楽しみ方について話を聞くことができました。

—— 卓話もひとつの楽しみですね。

そうですね。ただ昼ごはん食べて雑談しているだけでは能がないので、例会中に卓話という時間を設けてみんなで勉強をしているんです。

卓話の様子

—— 他にもロータリークラブの活動を通じて得たものはありますか?

やっぱり自分の視野が広がったことですね。ロータリークラブには、いろんな業種の人がいるし、世界的な広がりがある中で、いろんな人の話が聞ける。それは大きかった。世の中にはすごい人がたくさんいるし、まだまだ知らない世界がある。奉仕についても入会する前に今のように向き合うことはなかった。自分一人でできることは限られるけど、みんなの力を借りれば、ひとりではできないことも可能になるわけだから。

インタビューの受け答えをする際に笑顔を見せる黒野晃太郎

—— あまロータリークラブで今後実現したいことはありますか?

やっぱり病気をせずに継続してロータリーライフを送りたい。あまロータリークラブのメンバーともいつまでもお付き合いしたいと考えてる。楽しいからね。やっぱり、それが一番かな。

—— 楽しいというのはやっぱりいいことですね。

ENJOY ROTARYって言葉もあります。ロータリークラブを通してその活動を楽しむってのが真のロータリアンですから。あまロータリークラブは、ナンバーワンと言ってもいいぐらい良いメンバーが揃ってますからね。

「enjoy-rotary」と筆文字で書かれた英文字

プロフィール

インタビューの受け答えをする際に笑顔を見せる黒野晃太郎

黒野晃太郎(くろのこうたろう)
名川繊商株式会社
相談役

  • 1996年10月 あまロータリークラブ入会
  • 1996 〜 97年度 幹事
  • 2001 〜 02年度 第33代会長
  • 2010 〜 11年度 国際ロータリー2760地区 地区大会実行委員長
  • 2016 〜 17年度 西尾張分区ガバナー補佐

インタビュー & 写真 :矢野健一郎